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そうして、全員でハルのお家にお呼ばれだ
一「広…っ」
リビングの様な所へ通され、ハルは一旦リビングから出て行く
セラ「全っ然、変わってないわね。アイツの家の中」
リリ「あの…セラさん」
セラ「ん?何よ」
リリ「カイダル……って、言いましたよね。お名前」
セラ「えぇ。それが何か?」
リリ「…セラさんの……その…ご家族は」
セラ「あー、やっぱ言わなくて良いわ。言いたいことが分かったから」
リリ「…」
リリはそれを聞いて黙る。何だ??いったい、何が何なんだ?
セラ「リリルカ……だったわね」
リリ「はい。リリとお呼び下さい」
セラ「そう、じゃあリリ。アンタの考えは正しいわ」
リリ「やはり!!」
一「何が?」
リリ「あ…一さんは知りませんよね。大昔……私が産まれるより、前の話しなのですが」
いや、そりゃあそうだろう。大昔って言ったら。リリは自分を何歳だと思ってるんだ……。それとも、本当は結構イってるのか??聞いたら怒られそうだから、聞かないけど。
リリ「この世界には英雄が……英雄達が居ました」
一「英雄……ねぇ」
何かしたのだろう。その英雄とやらは
リリ「その子孫となるのです。セラさんは」
一「英雄なの!!!!!?」
手癖が悪い英雄なんか聞いたこと無いぞ!!
セラ「違うわ。英雄と呼ばれた人の仲間だったらしいのよ。私の先祖が」
一「へぇ……」
セラ「へぇ…って。ハルもそうよ?」
一「…ん?」
セラ「なに、ハルから聞いてなかったの?それに、見てなかったの?門番に見せてたじゃない。英雄の証」
一「…………」
え……?
リリ「あれが、そうなのですか?」
セラ「アンタも気付いてなかったのね………。あのねぇ…この街を守ろうと言う門番が、只の紋章見せられて引き下がる訳無いでしょう」
リリ「あー……それもそうですね」
セラ「この紋章は、家に代々伝わる大事なモノよ」
チャラっと、セラも紋章を俺達に見せる
一「ん…?」
セラの紋章は、短剣が交差しているモノだった
一「武器を彫ってるのか」
セラ「そうね、私の様な盗賊は短剣位しか装備出来ないからね。他の武器なんか持てば機動力が下がるわ。そして、ハルの紋章は魔法陣が彫られてる筈よ」
リリ「魔導師の家系なのですね」
セラ「そう言うこと。で、私の家は盗賊〈シーフ〉の家系」
嫌だ、そんな家系。俺なら嫌だ。親も自分も盗賊だぞ。でも、確かにこの世界なら需要あるかもしれないな。モンスターから物を盗んだり……って!
一「じゃあ、俺達……物凄い人を味方に付けたんじゃ……」
リリ「あはは、今更ですよ?一さん」
リリは普通に笑顔
リリ「確かにハルさんの顔は世に知られていませんが、ハル・エクセルって名前だけは、相当有名ですよ」
一「……マジかよ」
セラ「それよりあの子、何してんのよ。待たせすぎじゃない?」
リリ「準備で色々あるのでしょう」
セラ「準備…?さっきも気になったのだけれど、ハルの仲間って本当なの?」
一「あぁ。それは断言できる」
セラ「ふぅん……じゃあ、私に言いたい事ってのは…」
一「?」
ハル「…おまたせ。ずいぶん盛り上がってたね」
リビングへとハルが戻ってくる。ここが本当に、リビングなのかは知らないけど…
セラ「遅すぎよ。で?私に言いたい事って?」
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