第一章  君がいない街

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 遠距離恋愛になってしまうなんて思ってもいなかったから、そのときそのときの欲望にまかせて有沙の裸体を全部自分の中に留めてしまった。  白い肌、ふっくらした頬、CカップだかDカップだか知らないけれどマシュマロみたいにフワフワした胸、細いウエスト、その下の柔らかい部分、太もも、ふくらはぎ…。駄目だ、思い出すのはよそう。抱きたくて仕方なくなる。  俺がいくらエッチな男だからって、浮気しようとは思わない。遠距離なのをいいことに、他の女の子とつきあっちゃえばいいのに、黙っていればわからないしもったいない、とは女ったらしのヨシアキの言。  ヨシアキに言わせれば、有沙一筋の俺みたいなヤツが不思議で仕方がないらしい。俺はスケベだと有沙にも言われるし実際そうなのだけれど、有沙以外の女の子とそういうことをしたいとは思わない。  それに、俺と離れた有沙にへんなムシがつかないか毎日心配で仕方がない。有沙は可愛いから。俺の有沙は、そのへんのアイドルよりも可愛い女の子だから。彼氏のひいき目じゃなくて、本当に可愛いから。
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