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多分、俺は高校一年生のときから有沙が好きだったんだと思う。自分では意識したことがなかったけれど、きっとそうなのだろう。
だから、誰とつきあってもうまくいかなかった。ほぼ毎回の居留守に、そのときつきあっていた女の子たちがどれだけ傷ついたものか。いま思うと、ひどいことをした。ごめんね、最初から有沙とつきあっていればよかったんだ。
俺が高熱を出したとき、有沙が看病してくれた。でもこれからは、高熱を出しても有沙はそばにいない。俺たちがつきあうきっかけになった俺の高熱も、いまじゃ懐かしい思い出だ。
「なあカズキ、有沙ちゃんと最後にヤッタのって、いつ?」
同じようにゴロゴロしていたナオトが俺に訊く。十八の男の会話なんてこんなもんだ。
「いつだっていいだろ」
「教えろよ、ケチケチすんなって」
「おまえ、暇持てあましてる暇があったら練習とかしたら?」
「午前中、ずっとしてたよ。一緒にレッスンしてたじゃん。カズキさあ、暇持てあましてる暇とか、日本語変じゃね?」
「おまえの頭ん中より変じゃねえ」
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