Side C 進むべき方向

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 歌いまくってやる!  踊りまくってやるんだ!  私の歌とバンドの演奏で、皆を眩しすぎる夢物語に誘うんだ! 「みんなー!飛べー!」  バンドの強力なアクセント、ステージの演出、私とファンの皆が融合する一瞬!  眩しすぎる激しいインパクト!  今までにない大きな声援!  数えきれないペンライトが描いてくれる光のデザインが、観客席を、さざ波に反射する光のようにキラキラと彩っていく。  バンドの演奏と私の歌とダンスが融合した時の世界観を表現する言葉が見当たらない!  とにかく、バンドの演奏に負けないように、一曲、一曲に全力を込めて歌い込むんだ! バンドの音を押し返す勢いの声を出すんだ!  歌でバンドの演奏を包み込むんだ!  ダンスとバンドの演奏とのシンクロ! 凄いよ!  オケとはビート感が全く違う。人間が打ち出すリズムを身体が勝手に感じ取り、私のダンスは本能的となり、野性味を帯びてくる。  会場が広いから今まで出来なかったアクロバットもできる! 側転、バク転、バク宙! これを決めた時の客席から押し寄せる歓声の圧力が凄過ぎる!  ブレイクで決めるポーズも、音に身体が導かれ、自然的に取れているような感じ!     
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