1人が本棚に入れています
本棚に追加
尋問にのぞむ刑事って、こんな気持ちなのかもしれない。
これはまったくの想像だけれども。
注文は別々のレジでして、私は先に席をとっている。
膝の上に置いたバッグの中には、ダンボールから無理やりはがした伝票とあの手紙。
タオルはかさばるから1枚だけ。
「ごめん、こんな時間だから」
センパイはハンバーガー2個とおっきいポテト、それと一番大きいサイズのドリンクを買ってきた。
中身はコーラかな、センパイ好きだもんね。
かわいいな。
私は一番小さいサイズのお茶を選んだ。
正直、食欲なんてわかないから。
周りは自主勉している学生や家族連れで賑わっている。
充満するハンバーガーの香りを不快に感じる。
早く終わらせたい。
センパイとふたりきりなのに、こんなにも嬉しくない。
「さっき連絡した『贈り物』のことなんですけど」
「うん」
私はすっかり怒った声、センパイは少し困った顔だ。
ああこれ、顧問に無理難題いわれてる時の顔!
眉尻垂れて、子犬っぽくてすごく好き!
……なんて雑念を振り払って、私は手紙をカバンから出す。
「この手紙! ここ! センパイ関係ありますか!?」
指をさした先は、手書きの手紙の3枚目の一番最後。
矢眞本将
矢眞本ひかり
矢眞本さくら
最初のコメントを投稿しよう!