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数ヶ月後、私と遼さんは2人で現実で会おうと試みた。
「あ、遼さん?」
私達はお互いの顔写真を送りあっていたので、すぐに見つかった。
「あ、日菜さん!」
好きな楽曲ですらも合う私達はカラオケに入った。
4時間、交互に歌いながらたくさんの話をした。チャットルームのメンバー達の話などふざけた内容。遼さんの病気のことなど思い話。
楽しい時間はすぐに過ぎてしまった。
「遼さん。はいこれ」
カラオケの部屋を出ようとした遼さんに箱を渡した。この機会をずっと見計らっていたのだ。
「えっ!」
彼はそれを開けた。
「ありがとう………」
満面の笑みを浮かべる彼の手には、私とお揃いのキーホルダーがあった。
「なんかごめんね、バレンタイン何もあげてないのに」
今日はホワイトデーだった。
「いいんだよそんなの。しかも普通、バレンタインが女子から男子でホワイトデーがそのお返しでしょ?」
「確かに……来年のバレンタイン、絶対何かあげるからね!」
「ありがとう」
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