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返信、お待ちしております
「返信、お待ちしております」
メールの最後についてくる、この一言が、私は嫌いだ。
返信をするかどうかは、こちらが自主的に決めるものであるはずだけれど、その一言があることによって、半ば、返信を強制しているように聞こえるからである。
勿論、そう書いてあったって、返信をしなかったときもあった。本人に直接、返信する内容を伝えて、要件を片づけたからである。
でも、今回に関しては、どうしよう。返信するのは、億劫だけれど、直接会いに行くのは、尚更、難しいものである。
因みに、私は、長野にいるけれど、返事をする相手は、名古屋にいる。これだけで、おおよその、事情が分かってくれれば、幸いである。
だけれど、やはり、私は、気になった。
事の始めは、十月のことであった。
数か月前に転校してきたそいつは、私に話しかける。
「引っ越しすることになった」
私は、ただ、その話を聞いていただけだけれど、というか、そうしたのは、以前、私自身が引っ越しをしたとき、同じ学区内で引っ越しをして、転校はしなかったということがあり、引っ越しという単語だけでは、別に驚かなくなっていた。
ただ、事の運びは、そう単純なことではなかったらしい。
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