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わたしは階下に降りて、洗面所に向かった。階段を下りると、パパに鉢合わせした。パパもまだパジャマ姿だった。ちょうど玄関から新聞を取りに行った帰りだった様子。片手に新聞紙を持って寝癖のついた天パーの髪をかしかし掻いていた。
「おお、瑠璃。おはよう」
「おはよう」
わたしはそっけなさそうに返事した。パパは嫌いじゃないけど、思春期特有のアレというか、パジャマ姿で鉢合わせした恥ずかしさというか、そのまま洗面所に駆け込んだ。
「随分早いんだな」
パパはそのまま廊下に居座った。新聞を広げる音がする。洗面所の扉は閉まったままだったので、籠もった声が聞こえてきた。それなりに娘に気を遣っているつもりなのだろうか。数年前までなら、そのままづかづかと洗面所に入ってきて、お喋りと続けただろうけれど、何年か前にわたしがここでキレたことがあって、それ以来、わたしの部屋にも無断で入ることはなかった。
「英検」
それでも、別に仲が悪いという訳でもなく、わたしはフツーに返事をする。
「そっかー。日曜なのに、大変だな」
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