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僕の親父は、お爺ちゃんの遺影の前に座り、僕にこんな事を言い始めた。
お爺ちゃんとは喧嘩ばっかりで、俺が35歳を迎えた辺りから一緒にお酒すら飲まなくなってしまった・・・少し泣きそうなか細い声で僕に話してくれた。
確かに、僕がまだ小さい頃にお父さんとお爺ちゃんは、一緒に食事をしなくなったのは子供の僕でも気付いていた。
曲がった事が嫌いで、頑固な性格故に政治家の人達がテレビで議論してる事などに本気で怒っては、テレビを壊すんじゃないかって思うくらいリモコンを投げつけてるお爺ちゃんだったからだ。
僕には兄弟・・・兄が二人いる。
兄二人もお爺ちゃんの怒りスイッチの標的にされる時も少なくなかった。
僕も含め、家族の男衆はお爺ちゃんのそんなところが嫌いだった。
でも、親父はこんな事を続けて話してくれた、第二次世界大戦の時まだ小学生くらいだったお爺ちゃんは生きる事に必死になって仕事をして、今の財産や僕らが生きれる家庭の基礎を築いてくれた人なんだ、感謝しなくてはならないんだぞって。
実際には戦争の話しをされても、リアリティーとかの部分であまりしっくり来ないが、心から感謝するっていうよりは、この人がいなかったら僕は生まれていないんだ・・とか、戦争で、もし死んでいたらなんて事を考えると少し鳥肌がたった。
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