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「そうか…」
テツは手に持ったぼた餅を口に無理矢理放り込み、手に持った竹筒の水で流し込んだ。
そして立ち上がった。
「ばってん、俺は比布男たい。佐奈を…比布女を山に連れて行く事しか出来んったい。それに…」
菊枝と琴乃の視線が刺さる。
「それに、比布女は生贄やなかとよ。山の恵みで生かされている人間から神様へのお返したい」
テツは尻についた枯草を手で払った。
「そうやって村の人間たちは生き延びる事が出来るったい。俺も、お前たちも…」
木の傍に立てかけた野菜の入った籠を背負う。
「お前たちのした事は生きるための事たいね。佐奈も恨んどらんやろうけん…」
テツはゆっくりと歩き出した。
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