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鳴り響く警報の中立ち尽くしていると周囲の住宅からドアを閉じる音が頻繁にしだした。
路地の十字路を走っている人たちもチラホラ見えた。
これは私も逃げた方がいいかもな、油断するなって書いてあったし。そう思ってペダルに足を掛けた。
瞬間。
パヒュン!
「ふヒィッ?!」
地面にスルメが刺さってる。
えらく美味しそうにこんがり焼け、香ばしい匂いを放ちながら若干湯気か煙かを立ち上らせて、アスファルトに3センチほど頭の部分をめり込ませた20センチくらいのスルメがぶっ刺さってる。
「これヤバッ?!!」
ペダルを全霊を込めて漕ぎだした。さながら競輪選手のように車体を左右に降りながら全速力で漕ぐ。近くに何があった?!そうだ町民体育館!!
目的地は決まった、後は一直線、全力で漕ぐべし!漕ぐべし!
カカカ………
漕ぐべし!漕ぐべし!
カカカカ………!
漕ぐべし!漕ぐべし!
カカカカカ!
漕ぐべ…なんださっきから?
ヒュカカカカカ!!
振り向くと、後ろから一直線にスルメ。まるで私を追いかけるが如く一定の感覚で空から降り注ぐスルメたち。それが次々とアスファルトに突き刺さっていっている。
「なっっ!!??」
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