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なんだとぉぉぉ!!?
振り返ると、まるで戦闘機の機銃掃射の如く降り注いでくるスルメがすぐ後ろまで迫っている光景がそこにはあった。
なぜ自分に向かって、あたかも狙っているかのように降ってくるかなんて分からない。けれどこれだけは確かだ。
追い付かれたら死ぬ!!
「うおおおおおおッ!!!」
彩花はおそらく人生で一番の大きさの──しかも奇声を上げながら、より一層ペダルを漕ぐ足に力を込めた。
途中、誰かの叫び声が聞こえた気がしたけど、そんなのはこの命を賭けたサイクリングの真っ最中の私の胸には響かない。スルメの───そう、この剣先スルメの刃から逃げ切るには他人の事になんかに構ってる余裕なんて微塵もないのだ。
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