諸刃の剣に焼き入れを

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道中、見知らぬお婆さんが有りがちなスタンスで横断歩道の手前でプルプル震えて立ち往生してたけどそんなのは今まさに剣先スルメにピンポイントでスナイプされそうな私のピンチに比べれば屁でもなさそうだけど一応聞いてみた。 「乗ってk」シャアアアアアアアアアアアアア 言い切る前に通過してしまった。仕方ない、またどこかで会おう。 もう体育館は目の前だ。幸い、入り口は開放されている。このままの勢いで入り口の階段の手前で自転車を乗り捨てて体育館に転がり込めば、私の勝ちだ。 入り口の階段は2段。この原付並みのスピードでもそのくらいなら飛び越えて中に入れるはず。 死ぬ気で漕ぎながらもチラッと後ろを振り返った。剣先スルメはもうタイヤの数センチ前まで迫っている。
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