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「印象って?」と聞こうとした時何故か君は歩くスピードを上げた。
後ろから見る君は何を考えているのか分からない。
「と、とにかく。これから私も君にプレゼントをあげるからね。」
「え、でも悪いよ...」
「良いから!私があげたいの!」
ここまで言われたらいらないと言いつづける方が失礼だろう。
それに、正直プレゼントを貰えるのがここまで嬉しいとは思わなかった。
だから、これからも欲しいと思う自分がここに居た。
「ありがとう」
凄く小さな声だった。
嬉しさと恥ずかしさが混じって口がうまく回らなかった。
それでも僕の声は届いたらしく少し先を歩いていた君は僕の方へと振り返る。
夕焼けの逆光で君の表情は見えなかったけど両手を後ろに回し長い髪の毛を靡かせて、
「こちらこそいつもありがとう!
...これからも宜しくね」
一瞬...ほんの一瞬だけど。
逆光の奥から見えた君の表情は満面の笑みだった。
僕は即座に顔を伏せた。
きっと今の僕の顔は真っ赤になっているだろう。鏡を見なくても分かるくらいに。
そして思った。
僕はやっぱり君が好きだと。
もう一度君を見るといつもの表情に戻っていた。僕の顔は多分まだ赤くなってる。
それでも僕は今度は隠す事なく君の横に並ぶ。
「どうしたの?顔赤いけど...。
もしかして熱!?」
自分の気持ちに気づかれた訳じゃなかったけどそんな間の抜けた答えがくるとは思わなかった。
少し笑って僕は答えた。
「これは、夕焼けのせいだよ」
「帰ろうか」と今度は僕が君の前を歩く。
いつかは夕焼けのせいにせずしっかりと言うんだ。
自分の気持ちを...。
大好きだっていうこの気持ちを。
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