お返し地獄

1

家に着くとスーパーで買った食料品を急いで冷蔵庫に詰め込み、黒川さんの家の前までダッシュした。

ふぅー

インターホンの前で１つゆっくり息を吐き恐る恐る押した。

そうすると、黒川さんはニコニコしながら出てきて、どうしたの～と言った。

待ってたくせに、、、と心で思いながら
「遅くなってすみません、これお返しです。よかったら食べて下さい」
と早口で私が言うと、
「あら、いいのに～ありがとう」
と、しらじらしく言うのに腹が立ったので、軽く天気の話だけして逃げる様に家に戻った。

ふぅー
これでいいや～疲れた～

ソファーにうなだれながら、独身時代に大きなプレゼンを終えデスクに戻った時の気持ちを少しだけ思い出した。

ご近所付き合いって大変だな、、、
そう思いながら精神的に疲れたせいかソファーで眠ってしまった。