真犯人

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真犯人

 三鷹駅の立ち食いそばを食べ、風の散歩道を歩いた。  山田は空を見上げた。  隕石は今日も起きないのか?  トイプードルを殺した意味がないじゃないか!  そうだ!呪文だ!忘れてた! 「射精圏内!」  ミサイルは降ってきた。  太宰治の記念碑は粉々に砕かれ、ジブリ記念館は黒焦げになり、屍がゴロゴロ転がった。  太宰治は大の犬嫌いだった。   『畜犬談』 太宰治  甲府の仮住まいに住む「私」は、いつか必ず犬に噛まれると確信しているほどに犬を嫌っていた。強い論調で犬の恐ろしさ・厭らしさを説く「私」であったが、いつしか一匹の汚らしい野良犬に付きまとわれることになる。  東京が壊滅すれば地方出身者や痴呆の仕事が増える。そう、偽山田は思った。  渋沢栄一の銅像の生首事件は未だ解決していない。  中央線に乗って奥多摩へ出かけた。  川がサラサラ流れている。  二宮刑事がやって来た。 「あの事件は解決したかい?」 「そんな簡単に解決したらドラマでしょ?」  ビジターセンターに入りボルダリングで遊んだ。熊や狐の剥製が置かれてあった。温泉に入ろうと思ったが高いのでやめた。  空を見上げた。  ミサイルは降ってこなかった。  生首事件を解決すれば隕石でも落ちるだろうか? 青梅ではお祭りがやっていた。  オリジンで茎わかめオニギリを買って食べた。  偽山田は和柄真帆の関係者を調べていた。二宮からもらったファイルを列車の中で読んでいた。  立花って青年が怪しい。   真帆の同級生だが連絡が取れないようだ。 数日後、立花が出頭したニュースを見たときには飛び上がって喜んだ。
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