家族の想い愛…!なんちゃって。

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私に呼吸を整えなさいとでも言うように、家の中へ連れて行かれそのまま椅子に座らせてもらった。 カリントゥ村長は部屋の奥の本棚から、分厚い古い一冊の本を手に取り私の前に座った。 そして何の迷いなく、すっとその本のある一ページを見せてきた。 「これがそのポーションの作り方じゃ。見ての通り普通のポーションとは違う効果があると言う」 「じゃあこれを作れば、キナちゃんは治せるんですか?」 「そうなんじゃが……わしらにはこれは作れないんじゃ」 「え?」 作り方はこの本を頼りにすれば何とかなるし、材料だって集めれば揃うはず。 それだと言うのに、作れない理由が他にあるのだろうか。 お金がかかるものだったりするならば、そこは上手く交渉しながらこつこつ地道に集めていけばいつかは作れるはず。 「実はの。ポーションを作るには魔力が必要なんじゃ」 「魔力、ですか」 「個々の持つ魔力、それが鍵なんじゃ。魔物にはそれぞれ小さな魔力あるのじゃがな、人間とはまた異なるのじゃ」 「カリントゥ村長にはその魔力はないんですか?そのさっき、キサギには魔力でって言ってましたけど」 「ある事にはある。じゃがその必要となる魔力とは別の魔力なんじゃ。作った所でポーションという形にはならないんじゃ。人間が作る人間のためのポーションはわしらには効果が生み出されぬしのう……」 カリントゥ村長が持っている魔力では薬ーーポーションを作った所で、キナちゃんの病気を治せる効果が作り出せず、おまけに町で売っているポーションでも効き目はない。 あと一歩で今回の出来事が、丸く収まりそうだというのにそうは簡単にはいかなさそうだ。
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