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驚いた私は、ただその場に立つキサギを下から上まで眺めることしかできない。
いつからいたんだろうか……気配なんか全然感じなかったのに。
そういう魔法を使ってこっそり盗み聞きをしていたというのか?悪いヤツめ。
キサギはそんな私を見て少し笑い、私の元へと近づいてきた。
「いいか、村長。俺たちは幸せのために動く。一度手を貸したからそれで終わりとでも思ってた?」
「じゃが……」
「いいんだよ。これが俺たちのやり方なんだから。そんな抱え込む程、考えないでほしい」
「そうですよ!カリントゥ村長!私もお手伝いしたくてここに残ったんですから!」
キサギの勢いに乗ってやろうと、私もカリントゥ村長に言葉を、想いを伝える。
「ありがとう、二人共。お言葉に甘えるとしようかのう」
「そうこなきゃ。リカのスキルアップのためにもなるし。な!」
「え、私?!」
「そう。話にも上がってたようにポーション作りの人手がない。なら、俺たちがどうにかするしかないだろ?」
何を当たり前のことを言うんだ、なんて言いそうな顔をして私を見つめるキサギに、私は目を丸くさせた。
思ってもいなかった展開きてしまったー!!
でも確かにやるべきことはもう決まってるんだ。
ポーションを作れば、全てがいい方向へと向かっていくのだから。
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