本日、死にました。

10/28
前へ
/340ページ
次へ
でもそんな私の思い描いていた人生は、あまりにもあっさりと幕を下ろしてしまった。 私の考えというものとは全くもって関係なしに。 「そんな中、見つけたある企業は大きなプロジェクトを新人と共に進め、成長を促していくそんな企業でした。そこに頑張って務めて、自分を高めていきながら生きていこうと思っていました」 「……つまり、自分の好んだ場所での就職を望むと言うのか?」 「そうです。特別な力を持って幸せになると言った人生は望みません。私は自分の力で成長していきたいんです」 「絶対的な力を欲しないと言うのか……」 魔物やら魔王退治みたいなのは真っ平御免だし、すごい力を使って一儲けしようみたいなこともしたくない。 どこかの町で自分の力で何かを始めるというのも、なしではないけどそれは自分が思い描いていたものではない。 ちゃんと自分の目で確かめてから、納得してからではないと首を縦に振るつもりはサラサラない。 「それは……困ったな。そなたが行く新しい世界では魔法が進化している世界であってなーー」 「私は普通の企業に務めたいです」 こっちは手違いで死んだんだから、たくさんわがまま言ってやる。 別世界でも企業というものを生み出して貰わないと、私の働き先がないんだからな。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

266人が本棚に入れています
本棚に追加