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でもそんな私の思い描いていた人生は、あまりにもあっさりと幕を下ろしてしまった。
私の考えというものとは全くもって関係なしに。
「そんな中、見つけたある企業は大きなプロジェクトを新人と共に進め、成長を促していくそんな企業でした。そこに頑張って務めて、自分を高めていきながら生きていこうと思っていました」
「……つまり、自分の好んだ場所での就職を望むと言うのか?」
「そうです。特別な力を持って幸せになると言った人生は望みません。私は自分の力で成長していきたいんです」
「絶対的な力を欲しないと言うのか……」
魔物やら魔王退治みたいなのは真っ平御免だし、すごい力を使って一儲けしようみたいなこともしたくない。
どこかの町で自分の力で何かを始めるというのも、なしではないけどそれは自分が思い描いていたものではない。
ちゃんと自分の目で確かめてから、納得してからではないと首を縦に振るつもりはサラサラない。
「それは……困ったな。そなたが行く新しい世界では魔法が進化している世界であってなーー」
「私は普通の企業に務めたいです」
こっちは手違いで死んだんだから、たくさんわがまま言ってやる。
別世界でも企業というものを生み出して貰わないと、私の働き先がないんだからな。
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