家族の想い愛…!なんちゃって。

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作り方は分かってるんだし、あとは私の魔力操作とかいうものにかかっている。 簡単にへこたれている場合じゃない。 「ご指導お願いしますね、先輩!」 「なんだよ、その呼び方!まあ、頑張ってやってみよう」 笑いながら私の背中を一つぽんと叩くキサギに、背中を押されたような感覚になり不安な気持ちよりも、楽しさを感じ始めた。 街のことを説明されながらも会社に戻ると、早速準備を始める。 万が一に備えて、私は中庭に机を出してもらい外で取り掛かることにした。 カリントゥ村長から借りた本を頼りに、私は材料を並べていく。 コテツにも手伝ってもらい、使わなくなった器なんかを用意し慎重に薬の調合を始めた。 昔よく見た絵本の中では、大きな釜で魔女が呪文を唱えると勝手に材料が入っていって、魔女は大きな棒で釜をかき混ぜていたけれど、それとは大違いだ。 丁寧に薬草を採取して、適量の物質を流し加えて慎重に混ぜていく。 そして混ぜる時に自分の中にあるという魔力を結晶化させて、それを加えていく過程を何度か繰り返す。 それが上手くいくと、晴れて効果のあるポーションの出来上がりというわけだ。 だが、魔力を結晶化させたことも魔力の存在が無知の私にとっては中々に難しい技だった。
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