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そうこうしているうちに、ギルドに着いてヴェルギールさんに説明すると足を用意するからとギルド南口で待っていてほしいと言われた。
コテツとはここでお別れし、受付のベルカさんに案内してもらうこととなった。
久々に会ったが、ベルカさんは私のことをちゃんと覚えていてくれてまだ会って間もないというのに直ぐに打ち解けることができた。
「お仕事には慣れてきましたか?」
「はい!お陰様で。色々とまだまだ勉強しなきゃいけないことはたくさんありますけど」
「私もギルドで働いていると、色々な国の情報を聞いては知らないことはたくさんあるんだなあって実感してます。お互いこれから成長していけるように、頑張りましょうね」
私達の仕事内容については他言無用だから、言えないけれど一緒に頑張る仲間が増えたような気持ちがして凄く嬉しかった。
広いギルドを何の迷いもなくベルカさんは進んで行き、目的地である南口へとたどり着いた。
大きな扉の向こうには青い芝生が辺り一面に広がっていて、特にこれと言って馬や馬車があるわけではなかった。
それだというのに、やたらと人は多く配置されており奥には巨大な倉庫が設置されていた。
ここに馬車が置かれていないとなると、一体移動手段は何だというんだろう。
首を傾げていると、いきなり強い風圧が上からのしかかって来た。
「うわっ」
力強いその風に体のバランスを崩していると、そっと誰かに背中を支えられた。
風が止んで後ろを振り返るとそこにはヴェルギールさんがいて、にっと笑っていた。
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