家族の想い愛…!なんちゃって。

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ヴェルギールさんが掛け声を掛けると、ヒューダは大きな翼を羽ばたかせてゆっくりと宙へと浮かび上がる。 ヴェルギールさんが手綱をぱちりと一回鳴らすと、そのまま一気に空へと向かって飛んだ。 慣れない浮遊感にドキドキしながらも、感じる風が心地よくてあまり恐怖心は感じなかった。 初めて見下ろす街に感動しながら眺めていると、周りを見れば同じように大空を駆けるドラゴン達がいた。 「な?最高だろ」 「はい。この街ではドラゴンも乗り物の一つなんですね」 「馬車を使ったり魔法陣を使ったり、様々な移動手段がある。俺はこの移動手段が一番気に入っている」 「私も好きになりました!」 「そうだろそうだろ!よし、ヒューダ!スウィリー区までひとっ飛びだ!!」 キュー!!と体の大きさのイメージとは全然違う、可愛らしい声でヒューダが鳴いた。 そのまま加速し始めた、ヒューダにこの空の旅を任せつつ私は眩しい太陽を目を細めながら見た。 もう少しでこのポーションを届けることができる。 この手に持っているのは、村の皆の幸せの第一歩を掴むもの。 それを私が完成させて、これからもその幸せが続くように働いていく。 転生なんて最初は理解できなくて、神様にワガママ言っちゃったけれどこれで良かったんだとそう思えた。 私は私自身のこの手で誰かの役に立つために動いていこう、そう太陽に宣言するよう一つ目を閉じる。 そして流れる風に楽しみを覚えて、空の旅を思う存分楽しんだ。
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