家族の想い愛…!なんちゃって。

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馬車の時とは大違いで、長蛇の列で並んだのにあっという間に終わってしまったアトラクションに乗ったような感覚で空の旅は終わってしまった。 ドラゴンは町には行けないからと、町の手前の広い草原で下ろしてもらい私はヒューダに挨拶をする。 鼻先を突き出してきたヒューダに、そっと撫でてやると嬉しそうに目を細めた。 「後は上手くやれよ!幸運を祈る!」 「ありがとうございました!」 再び私を置いて、ヒューダは空へと舞い上がりあっという間に飛び立ってしまった。 よし、と自分に鞭を打ち私も村へと向かうべく前に足跡を追ってたどり着いた木へと真っ直ぐに歩き出した。 道中で広がる畑はどこも荒らされてはおらず、本当に丸く収まっていることにほっと胸を下ろした。 しばらく歩き、あの時見つけた木を何とか見つけ出しそっと幹に触れた。 見様見真似であの時と同じように、村へと転移魔法が発動するとは思えなかったが経験したことのある体が宙に浮く感覚にきゅっと目を閉じた。 ふわりと風が舞踊り、一つ深呼吸をして目を開けると違う空気が肺に入ってきた。 「ちゃんと来れた……」 久しぶりに来たブレイヤー村の風景に安心感が広がっていく。 そして最初ここに来た時に槍を向けてきた、ゴブリン族の人達が暖かく私を出迎えてくれた。 風の妖精さんはカリントゥ村長だけでなく、村の人達にも伝えていてくれたようだ。
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