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そのままカリントゥ村長とマンシュくんが待つ場所まで道案内をしてもらい、何とか辿り着くことができた。
「リカ!」
嬉しそうに駆け寄ってくるマンシュくんに手を降ると、そのまま私に抱きついてきた。
よしよしと宥めるように頭を撫でてあげると、キラキラした瞳で私を見つめてくる。
「すごいよ!本当にポーション作っちゃうなんて!」
「ううん。私だけの力じゃないよ。この村の皆のおかげ」
「いやはや……何とお礼を言ったらいいのやら」
「カリントゥ村長も。まずはキナちゃんにポーションを飲ませてからその言葉を頂きますね」
神木と呼ばれる大きな木を見上げながら、ポーション作りしながらちゃんと体力作りもしておけば良かったと後悔しつつ三人一緒に神木の上で眠っているというキナちゃんの元へと急いだ。
息切れがひどい私よりもうんと歳を取っているはずのカリントゥ村長は、慣れたもので汗一つかかずに軽々と上へと登っていき頂上へと辿り着いていた。
あまりにも早すぎる二人に、梯子の途中で私は息を整えるために休んでいると下から声がかかった。
「リカー!!待たせたな!!」
「あっ!キサギ!」
下を見ればキサギがこちらに向かって走ってきたかと思えば、異常な跳躍力で神木の上へと着地した。
はい?!なんで三人して私を置いていくわけ!!
私が大事なポーションを持っているんだから、もう少し待っていてくれ!!
そんな気持ちでギリギリの体力を振り絞り、何とか私も頂上の階へと行くことができた。
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