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「ちょ、ちょっと!アルバルト?!まだ転生前だぞ?!しかもっ、あんたのその行動は契約違反に値すると分かっているのか!!」
「分かっているぞ」
「じゃあ、なぜっ!」
「メディーダ。この状況はこちら側が責任を持って対処しよう。ただな、私はこの優秀な社員となる逸材を手放したくないのでな、今回の契約は取り消しだ。他の転生者を用意しよう」
「無茶苦茶な……」
ため息混じりに額を抑える神様は、先程と同じく今にも泣きそうな声だ。
そんな神様は知らないとでも言うように、ダンディー男性は神様の横を通り私に近づいてくるとキラキラした瞳で私を見つめてくる。
え、なにこの状況、理解が全く追いつかないんだけど。
苦笑いを浮かべながらダンディーな男性をみていると、何を勘違いしたのか分からないが私の両手を取り顔を近づけてきた。
「君、会社で働かないか?」
「は、はい……?」
期待を向けられたその瞳に私はどうしていいのか分からず、口をぽかんと開けたまま固まることしかできなかった。
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