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新しい生活のはじまりはじまり〜!!
なるがままの成り行きで行き着いた私の異世界での新しい人生の幕開けは、非常に落ち着いたものだった。
アルバルトさんに簡単な説明をしてもらった後、そのまま仕事があるからとアルバルトさんは席を外すこととなった。
「この後はのんびり過ごしていいから、また明日に色々と話そう」
「は、はい!」
「じゃあ私はこれで。カルネ、寮の案内は君に任せるよ」
「承知致しました」
そう言って部屋を出ていくアルバルトさんにすかさず一礼して、足音が遠ざかっていくのを聞きながら自然と肩に入っていた力を抜いた。
残っていた紅茶を飲んでいると、アルバルトさんの傍についていた女性が私に声をかけてくる。
「名乗り遅れました。私、カルネリア・イシュ・ハーウィンと申します。どうぞカルネとお呼びください」
「ご、ご丁寧にありがとうございます!神崎 莉佳です」
物語のお姫様みたいな上品な女性に、急にドキドキと胸が早くなる。
この人……カルネさんも、これから仕事を一緒にしていく先輩に値する人。
評価を下げるような行動、言動をしないようにしないといけない、そう思うとまた肩に力が入る。
そんな私を見て、カルネさんは一つ小さく品のある笑みを浮かべた。
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