新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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「それじゃあ、この会社の寮へと案内しますね」 「寮、ですか」 「ごめんなさい、社長ったら説明せず行ってしまって。歩きながら色々と説明しますね」 着いてくるよう促され、フカフカのソファーに心の中で別れを告げつつカルネさんの元へと足を動かした。 部屋を出て長く続く廊下の壁一面の窓から入ってくる光を感じながら、カルネさんの少し後ろを歩く。 アルバルトさんがあの部屋まで連れて行ってくれた時と同様、妖精らしき存在があちらこちらに見え私は思わずカルネさんに声をかけた。 「あのカルネさん、周りにいるのって……その、妖精ですか?」 「はい。我々と契約しているこの会社の者達です」 「じゃあ……社員ってことですか?」 「契約はしていますけど、彼等はお仕事には一切関与しません。うーん……なんて言えばいいんでしょう、お手伝いさん、に近いですかね」 お手伝いさんと聞けば、家事とか代行でやってくれる人のイメージしか湧かないがこの世界ではまた少し違う存在なのかもしれない。 少しずつこの世界の仕組みについて知っていかなければと思いつつ、この妖精達は仕事に関わらないと聞いて少しだけほっとした。 魔法も何もかも知らない私にとっては、妖精は未知の存在すぎて関わり方が分からない。 仕事に支障が出てしまえば使い物にならないと、アルバルトさんに解雇されてしまう可能性だってある。
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