新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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廊下を突き当たりまで歩き、そのまま右に曲がると階段が見えた。 そこの階段をカルネさんと雑談しながらゆっくり降りると、なんだか空気が変わったような気がした。 ふと周りを見れば先程までの神々しい感じや、煌びやかな雰囲気が一気になくなっていた。 「あの渡り廊下の先に見えるのが寮です」 そうカルネさんが指を指す方向に目を向ければ、そこには先程は見えることのなかった茶色の地面と草花があった。 中庭らしき場所の井戸の周りを、心地よい風に踊るように蝶がふわりと舞う。 数階分降りただけだというのに、上空何万メートルを下ってきたというのだろうか。 振り返って見てみても、そこには至って普通の階段があるだけだ。 「あ、驚きました?」 私の変な動きを見かけたカルネさんだが、当たり前の日常的なこの空間に何の違和感もないようだ。 「今のも魔法ですか?」 「はい。上の階は神の仕事場がメインとなっていますので、下界と天界を繋ぐ魔法を使っています」 なるほど……神がいる場所に相応しい場所、すなわちそれが天空となるわけか。 魔法で空と地上が繋がってしまうなんて、化学では到底届くことのない技術だ。
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