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今日のこの戦いが終わったら今夜は晩酌だ。
ちょっと高めのお刺身と日本酒で一人乾杯して、カモミールの香りのお風呂に入る。
ちょっとした贅沢と幸せがあってもいいよね。
そんな事を考えながら横断歩道を渡っていた、その時。
うるさい程に響き渡る車のブレーキ音と、女性の悲鳴が鼓膜をこれでもかってくらいに揺らした。
状況が理解できないまま、その音のする方に視線を動かすと目の前に大きなトラックが横断歩道目掛けて突っ込んで来るその様子全てがスローモーションで私の目に映る。
どうすることもできないまま、私は大きな衝撃と痛みに包まれるしかなかった。
焼けるような痛みが一気にやってきて、助けを求めようと体を動かそうにも動かすことは出来なかった。
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いよ。
誰か、助けてよ。
まさか……私、ここで死ぬの?
意識が遠のいて行く中で、必死になってもがこうとした。
頑張って勉強して大学入って、就きたい企業見つけてそこで今後の将来をしっかりと掴んでいこうとしていたのに。
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