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「お風呂の準備が整ったニャ。着いて来てくるニャ」
コテツさんの、お風呂というワードに私はまたしても顔が熱くなっていくのが分かる。
「ちょ！ちょっと待って下さい！お風呂の前に、その！」
どうにかしてあの男性とのバッタリ遭遇を避けたい一心で、何とか引き止めようと話題を考える。
今日はとりあえず遭遇を避けて、日を改めて落ち着いてから謝りたいのだ。
「じ、自己紹介！自己紹介してないから！させて下さい！」
思いついたネタがこれしかなかったが、少なからず時間稼ぎにはなるはずだ。
名前だけで終わらせない、自己紹介で広げられる分だけ広げてやる。
「神崎 莉佳、22歳です。好きな食べ物はーー」
子供じみた自己紹介になる予感しかしないが、大好物のグラタンの名を伝える前にコテツさんが私の言葉を遮った。
「好物はグラタン、嫌いな食べ物なキクラゲ……であってるかニャ？」
「な？！なぜそれをっ！」
嫌いな食べ物はないと周りに宣言しつつも、家族だけが知っている私の弱点を、初対面の猫妖精にバレている？！
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