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感情が顔に出ていたのか、コテツさんはニヤリと目を細めた。
「フフフ!コテツにかかればそれくらいの情報くらい、簡単に集められるニャ」
この猫の妖精は、本当にただのお手伝いさんなのか……?
もしかしたら、お手伝いさんと名乗って油断させて私を誘拐しようとしていたりして。
なんて思いながら怪しむような目を向けていると、コテツさんが笑いを弾けさせた。
「冗談ニャ。アルバルトの旦那に今日からここに住むことになったって話は聞いてるニャ。旦那から仲良くするようにって色々と教えてもらったニャ」
「アルバルトさんから……」
なるほど、となりかけたがどうしてアルバルトさんも私のそんな情報を知ってるのか疑問だった。
「リカ殿みたいな転生者は初めてのケースらしいのニャ。本来関わることはない転生者だから、知り得た情報は使うことはないんだけど、今回は仲良くなりたいから旦那に教えてもらったニャ」
「……!そうだったんですね」
仲良くなりたいというその言葉に、胸がくすぐったくなるのが分かる。
「それに食事もコテツが作るから、好みは知っていた方がいいしニャ」
「ありがとうございます!コテツさん」
「畏まらなくていいニャ。気軽にコテツって呼んでくれればいいニャ」
「じゃあ、お言葉に甘えて!」
ここに来てから良くしてもらってるけど、ずっと畏まったままだったから正直嬉しい。
気軽に話し合える相手が一人いるだけでも、居心地の良さは変わるものだし。
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