株式会社 異世界転生スローライフ

本日、死にました。

まだ私22歳だよ、こんなのあり？

この企業で働いて26歳で素敵な恋をして、27歳でプロポーズされて、28歳には結婚式挙げて。

29歳で1人目産んで、32歳で2人目産んで。

子供が大きくなったら旦那さんと日本一周の旅をして、老後ものんびり縁側で日向ぼっこしながらお茶啜って。

って色々妄想膨らませて生きてきたっていうのに。

そんな私の未来予想図は何一つできないまま、ここで終わるんだ。

もう少し生きたかった、自分の人生をしっかりと歩んでみたかった……な……

耳に入ってくる慌てるたくさんの人達の声が、徐々に遠ざかっていく。

ああ……こんな呆気なさすぎる人生の終え方なんて、神様のばーか。

暗闇の中に落ちていくようなそんな感覚に包まれて、私は意識を手放すことしかできない。

【適合完了。ライフを完全復活させます】

そんな暗闇の中で知らない誰かの声が頭に響いた。

ドクンと一つ大きく鼓動が跳ねたと同時に、私の体は生きることをやめた。