新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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「ありがとう、コテツ。後は一人でーー」 「そんな遠慮することないニャ!!コテツがとことん綺麗にしてやるニャ!」 とんでもない言葉を発したコテツは、何かに燃えるように瞳を輝かせていた。 戸惑う私にニヤリと笑ってくるけれど、引き攣り笑いしか返せない。 「我々ケット・シーに人間の性別なんて気にしないニャ。気にしたこともないニャ」 「そっそう言われても、恥ずかしいものは恥ずかしいよ!」 「この神の肉球で背中を洗ってあげる、と言ってもかニャ?」 先程握った気持ちのいい肉球の感覚を思い出す。 さぞかしあの肉球でマッサージしてもらいながら背中を洗ってもらったら、気持ちいいだろう。 誘惑に釣られる私は、無意識に服を脱いでいた。 「正直ニャ。コテツはマッサージのプロとも呼ばれているのニャよ〜」 「んーもー!お願いします!!」 半分諦めた気持ちで一気に服を脱いで、お風呂場に駆け込んだ。 猫に裸を見られた所で、減るものなんか何もないのは分かりきった事だ。 「一名様、ご来店ニャーー!!」 コテツも気合いを入れて私の後を追いかけてくる。 異世界の生活は、色々と贅沢が詰まっているものなのかもしれないと湯船に浸かりながら小さく笑った。
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