新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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*** 窓の外で大きな鐘の音が鳴る音に、脳が刺激されていく。 ゴロンと寝返りを打つと、瞼の裏にまで眩しい光が届いてくる。 ふっと小さく目を開ければ朝日が顔を覗かせて、起きろ起きろと声をかけてくる。 一つ欠伸(あくび)をして、脳に新鮮な酸素を送り込みながら大きく伸びをする。 知らない天井に、知らない空間。 ここはどこだと昨日の記憶を遡れば、答えは簡単に見つかった。 「本当に異世界に来ちゃったんだなあ……」 雲ひとつない朝日が登る空には、規則正しく一直線の列を作って空を支配するように悠々と飛ぶドラゴンの姿が見えた。 渡り鳥の群れだったらおばあちゃん家で見たことあったけれど、あんなドラゴンは見えるわけもない。 ふわーっとする頭をシャッキリとするべく、ベッドから起き上がり窓を開けて風に当たる。 「気持ちいい……」 いつもならスマートフォンのアラームのうるさい音にしかめっ面で起きるというのに、こんなに新鮮さを感じる朝を迎えられるなんて素晴らしいことこの上ない。 遠くに見える街が、朝日を浴びてキラキラと輝いている。 絶景まで楽しめるこの部屋を独占できるなんて、転生して良かったのかもしれない、なんて。
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