新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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裏口から昨日カルネさんと一緒に歩いた道とは違う道を、ゆるゆると歩くこと約20分。 周りに小さな煉瓦造りの家ばかりがぽつぽつと並んでいた風景が、徐々に変わっていく。 背の高い建物がズラリと並び、今朝部屋の中から眺めていた街にたどり着いた。 傾斜があるこの街の頂上には、立派なお城が建っているのが見える。 「うわあ〜!素敵な街!」 中世ヨーロッパにでも観光しにきたような感覚になり、自然と足の歩調が早くなる。 朝の活気が周りを歩く人の数で一瞬で分かった。 「ここが王都ニャ。街の中心に行くには通行証が必要ニャんだけど、そこんところはきっとキサギ殿が準備してくれてると思うから安心してニャ」 「うん。分かった」 「じゃあコテツはここでお別れニャ。この通りを真っ直ぐ行った所がリザウルト区ニャ。噴水前は大きいからすぐ分かるニャ。では、健闘を祈るニャ!」 コテツは親指をグッと立てて、一つウインクをしたかと思えばそのまま人混みの中に紛れて行ってしまった。 コテツの姿が見えなくなった所で、私は朝受け取った手紙をもう一度見直した。 簡単に書かれた地図を頼りに私も気合いを入れて歩き出す。
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