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言われた通りこの通りを真っ直ぐ歩き、辺りをキョロキョロと見渡した。
見慣れない街並み、見慣れない人のその格好、視界に入ってくる情報全てが見慣れない。
しかし言葉は通じるありがたさ、こればっかりは何度両手を合わせて感謝を神様に述べてもいいくらいだ。
これで言葉が分からなかったら完璧に恐怖心しか無かったに違いない。
見るもの全てに感動しながら歩いていくと、どこからか水の音が微かに聞こえてくる。
「あ!あれだ!」
その音を辿るようにして視線を動かせば、そこには言われた通り大きな噴水が水を高く吹き上げていた。
駆け足でその噴水前に駆け寄ると、キラキラした何かが私の顔の横を通り抜けていく。
「?」
後ろを振り返ると、そのキラキラした正体は昨日も見かけた羽の生えた妖精だった。
噴水の水を汲み上げ、それを魔法か何かで浮かばせて運んでいるらしい。
液体だというのに、固体のようにして操るその力に拍手しかない。
その妖精達が行ったり来たりしているのを、じっくり観察していると朝にも聞いた鐘の音が聞こえてきた。
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