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どれくらい深い暗闇の中に落ちたんだろう。
自分の体を自分の意識で動かすことはできないけど、何かを考えることは出来た。
呆気なく死んだけど、一体ここから私はどうなるのだろう。
天国とか地獄とかそういう場所に行くとしたら……死んだおばあちゃんになんて挨拶しよう。
はっはーごめん、私も死んだみたい〜なんて気軽に声かけたら怒られるかな?
ああ……お母さんとお父さん、それに妹も突然の私の死には迷惑しかかけないよなあ。
親孝行できなくてごめんなさい、優しいお姉ちゃんじゃなくてごめんなさい。
本当に今後の私はどうなってしまうんだろう。
分からないことばかりで、少しだけ不安になってきた。
「なに、心配はいらぬさ」
そっかあ〜心配いらないのはありがたいや……って私は今誰と会話したんだ?
体が痺れるような感覚が全身に走ったと思えば、サァ……と少しだけ冷たい風が吹き抜けていく感覚に、はっと意識を取り戻す。
体の全ての感覚が戻ってきて、脳内が働き出す。
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