新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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すると深呼吸をして落ち着かせようとしている私の顔を、キサギさんが覗き込んできた。 私の顔を見るや否やプッと笑いだしたキサギさんは、私の肩をポンポンと叩いた。 「あっはは!いや〜あれはどちらかというと俺が悪かったよ。そんなに気にするようなことでもないし、昨日見たのは夢だったと思えばいいさ!」 「で、でも……」 「面白い子だね、本当に。アルバルトさんが気に入った理由も何だか分かる気がする。俺が気にしてないんだから、君も気にしないで」 ね?と私を宥めるように見つめるキサギさんに、謝ることができたし向こうも許してくれていると自分に言い聞かせ、こくりと頷いた。 その様子を見たキサギさんが、私の肩を叩いた手をそのまま私の前にそっと差し出す。 「自己紹介がまだだったな。俺はキサギ、キサギ・クドウ。よろしく」 「あ、神崎 莉佳です。よろしくお願いします」 差し出された手を私はそっと握りしめると、キサギさんの手から温もりが伝わってきた。 「リカ、ね。これから色々と体験することになるとは思うけど、仲良くやろうな!」 「はい!」 この人が私の上司となる人、これからの仕事でのパートナー。 優しそうな人で本当に良かった、安心した。
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