新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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そしてふと、気がついたことを言うためにキサギの横へと並ぶ。 「そういや、キサギの苗字でいいのか分からないんだけど、その、クドウってもしかして工藤?」 「同じこと二回言ってるだけになってるけど」 私の質問に対して、キサギは肩を揺らしながら笑い始める。 「そういう事じゃなくて、漢字で書くとって話し!って、こっちは漢字が存在しないから、なんて言えば伝わるのかな……」 この質問はややこしさが深まるだけな気がしてきて、やっぱりこの質問はなかったことにしてもらおうとしたがキサギ一つ頷いた。 「流石!異世界の人には異世界の言葉が通じるって感じだな。リカのお察しのように俺は、異世界の血が混じってる」 「混じってるって、純血じゃないってこと?」 自分でも地球人の純血とは一体なんぞや、なんてツッコミを入れつつも質問の答えを待つ。 「俺の親父が転生者だったんだ。だから半分はリカと同じ世界の血が流れてるってこと」 「お父さんが、転生者……」 「こっちでは有り得ない話じゃないさ。素性を隠しきって生きる転生者もいるらしいけど、俺の所は逆にオープンだったから皆知ってる」 だからお父さんの苗字を受け継いで、工藤さんになっているということか。 こんな事も有り得る話になると、もしかしたら同じく転生者に出会える確率も少なからずある。 その時がもし来たら同じ世界を生きた者同士、何か話せたらいいな、なんて思う。
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