新しい生活のはじまりはじまり〜!!

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「仕事しながら俺の事はいくらでも語るから、とりあえず俺の素性情報はここまで。ギルドが見えてきた」 キサギのお父さんはどこ生まれなのか、とかそういう自分の分かる知識の範囲内のことを質問しようとしたけれど、キサギが指差す建物を見るなり目を大きく開いた。 人が多く来るという事はそれなりに建物は大きいだろうと予想は着くけれど、豪華なのは予測不可能だった。 白を基調とするその建物は、私からしたらただの豪華な御屋敷だ。 もっと木造建築な建物かと思っていたけれど、これは予想を遥かに上回る建物だ。 「おっきい……!」 「そりゃあ、国一番だからな」 何ら迷うことなく進むキサギに置いていかれないように、浮かれないよう必死について行く。 初めて田舎から都会に出たあの時の感覚によく似ていて、まだまだ自分も幼いことを感じてしまう。 スタスタと歩くキサギの後ろ姿を今は追いかけることしかできないが、いつか自分もこんなに堂々と歩ける日がくるのだろうか。 そんな事を考えていれば、あっという間にギルドの建物の門を潜り建物の中へと足を踏み入れていた。 広々としたロビーが私を出迎え、そのロビーにはたくさんの人達が溢れかえっていた。 大きな掲示板前に人だかりが出来て、何やら賑やかな様子だ。 その奥にソファーが置かれ、面談のように真剣な面持ちで会話をしている人も。 街の賑やかさとはまた違った賑やかさが、ここには溢れかえっていた。
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