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オドオドした私をキサギは穏やかな表情で、誘導してくれた。
受付のカウンターまで足を運ぶと、キサギの顔を見た受付の可愛らしい女の子が駆け寄ってきた。
「キサギさん!お久しぶりです!帰ってきてたんですね」
「久しぶりだな、ベルカ」
ベルカとキサギに呼ばれたその女の子は可愛らしい笑顔でキサギを迎えた。
そしてそのキサギの後ろに立つ私の姿を見つけ、少し目を丸くした。
「あのぅ……そのお方は?」
「今日から俺のパートナーになった、リカだ」
そう言いつつ一歩、横にズレたキサギに慌てて私は前へと出た。
「初めまして。神崎 莉佳と申します」
「初めまして、カン……ザキ、リカさん。珍しいお名前ですね!」
「ああ、ええっと、遠い大陸から来たから聞きなれないかもな。気軽にリカって呼ぶといいよ。俺もそう呼ばせてもらってる」
「じゃあ私もリカさんとお呼びしてもいいですか?」
「え?あ、はい。大丈夫です!」
もしかしてこの世界では名前を名乗る時も、気をつけなければいけないのかもしれない。
ファーストネームとラストネームが、海外であるように「莉佳 神崎」と名乗った方が良かったのだろうか。
これもあとでキサギに確認を取っておかないと。
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