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家族の想い愛…!なんちゃって。
***
ヴェルギールさんに依頼を頼まれた後、準備が宜しいようで用意されていた馬車でその畑荒らし事件が起こっている場所へと向かった。
慣れない馬車の揺れに、動揺しつつも見慣れない外の景色を堪能しつつ40分。
その事件が起こっている場所ーースウィリー区へと辿り着いた。
農業地区という事もあり、ギルドのある王都とは全く違って緑豊かな場所だった。
遠くには雪でその身を白く染めている高く聳える山々が連なっていた。
何処を見渡しても畑ばかりだが、それなりに人も行き交っているようで賑やかだ。
「さあて!着いたな!リカ!」
馬車から降りて、澄んだ空気を吸いながら歩くキサギの横で私を大きく頷いた。
都会から地方に来たようなそんな感覚に陥りながらも、見たことも無い植物達を見て気分が浮かれていた。
「王都内でもこんな場所もあるんだね」
「まあ、特色は色々あった方が国が潤うしな。ここではポーションに必要な薬草が多く栽培されているんだ」
ポーションというのはこの世界では、状態異常が身体に及んでいる時に使う液体のことを言うらしい。
魔力が封じ込められたもので、どんな傷でも癒えてしまう優れもの。
現代医療に取り入れたら、どうなってしまうのかなんて考えてしまうけど魔力を持たない私が生きていた世界の人間が口にしても変化は起こらないらしい。
実際に実験してみたことはないから、実証はされていないけど理論的にはそういう答えになっている。
そんな難しいことを言われてもちんぷんかんぷんな私には、ポーションはすごい薬!と要約して知識として蓄えておくしかない。
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