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こんな神様の住む領域なんかにどうしているんだろう、地獄か天国に行くのでは?
なんて首を傾げて考える私を他所に、神様は潤った唇をゆっくりと動かした。
「実は、そなたは死ぬ運命でもないにも関わらず手違いで死んでしまったのだ」
一体どんな手違いを起こせば死んでしまうというのだろうか。
運命でもなんでも、私が死んでしまったのは変わらない事実だろうから受け入れるしかない。
「そうなんですか」
「驚かないのか?」
「トラックに轢かれたのは事実で、すんごく痛かったので」
「確かにその時死を覚悟し、神様のばーか!などと心の中で叫んでいたしな」
おっと……そこまでも神様は把握済みなんだ、これは口を慎まないと痛い目に合うこと確定だ。
苦笑いを浮かべつつも、神様にぺこりと一つお辞儀をした。
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