家族の想い愛…!なんちゃって。

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だからと言って、奥に進んだとしても魔法具はしっかりと畑を守るように区画ごとに設置されている。 どれだけ探してみても魔法具はどの畑にも設置されていたのだ。 でも山に近くにある畑は、言っていた通り魔法具があるにも関わらず荒らされていた。 畑で働く人の姿も見受けられず、私は首を傾げることしかできなかった。 「これは一体どういう事……?」 「こりゃあ、一本やられたとでも言うしかないな」 推理していた予想がハズレたキサギは、どうしたものかと頬を掻いた。 見事に茎の半分程度でポッキリ折られた薬草達がその身を支え合うようにしながらも必死に天へと手を伸ばすように葉に光を当てようとしていた。 ただ想像していた荒らし方よりも、被害は少ない。 根っこから抉られるように掘り返されているかと思ったが、そんなことはなさそうだ。 これくらいならまだ木の枝に茎を巻き付けて支柱固定してあげれば、薬草は回復する可能性はある。 まあ、小学生の時代に野菜を育てた知識だけではよく分からない部分も多いのだけど。 「しっかし……ここまでやられるとなると、逆にわかりやすいな」 「へ?!」 あれだけ事件の犯人はちょっと分からないみたいな雰囲気出しておいて、キサギの口から出てきた言葉は予想外だった。
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