家族の想い愛…!なんちゃって。

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そして一つ深呼吸をしたのと同時に全身を包み込んだかと思えば、気づけば優しい太陽の光が体を照らしていた。 辺りを見渡せば先程いた場所とは全く違う場所に自分がいることが、驚いてならない。 「ここ、どこ?」 「転移してきたんだ。ブレイヤー村に」 「て、転移??」 先程までいた町とは違う町並みに目を丸くする。 いや町並みとは言えず、大木の枝を上手く土台としそこに家を作り上げた村がそこにはあった。 上まで行くまでには梯子と、綱が垂れてはいるが今の私の腕力では絶対に登れない自信しかなかった。 原始的なその村に、ポカンとしているとどこかで警笛のような音が鳴り響いた。 驚いたことにいつの間にか私達の周りを囲むーー人間じゃない深緑色の二足歩行の生き物が槍を構えていた。 な、なんだろうこの生き物。見た事のない肌の色をしてるし、そもそも話は通じる……のか? 「侵入者め!どこから入った!」 「ここは我らゴブリン族の村、ブレイヤー村と知っての侵入か!」 喋った……!しかも敵意むき出し…!! 「キ、キサギ!これってどういうこと?!」 生まれて初めて目の前に突き出された槍に、どうしていいのか分からずキサギに助けを求めるしかない。
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