家族の想い愛…!なんちゃって。

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カリントウ村長はそんなマンシュくんの表情を見つつ、敢えて触れずに話を始めた。 「さて。お主らがちゃんとした門を通らずして村に立ち寄った理由を聞かせてもらおうかのう」 優しく撫でるカリントゥ村長のモサモサ柔らかそうなその髭が、ふいっとキサギを示した。 髭にも意思があるっていうのか、この世界は!なんて驚く私を無視してキサギは口を開いた。 「実はとある依頼を受けてて、その依頼内容を追っかけてきたらここに来たって所かな」 「なんじゃ、そのあっさりした内容は。もっと具体的に言ってくれんと困るのう」 「じゃあ、リカ。詳しい説明を村長にしてやって」 唐突に私にバトンタッチですか……?! てっきりキサギが全部話してくれると思って、カリントゥ村長の髭に夢中になりかけてましたなんて絶対言えない。 切り替えて今までの経緯を思い出し、整理しながら声に出してみることにする。 「実はとある場所で畑荒らしが発生していて、その場所で調査を行っていました。しかしその畑荒らしは動物、魔物といった存在は入って来れないようにしっかりと対策がなされている状態でした。そこでキサギが、犯人の足跡を見えるようにできる魔法を使って、ここに来たんでーー」 です。と言い切る前に、私はその魔法の効果を思い出し斜め前に座るマンシュくんの足が微かに輝いていることに気づき、思わず立ち上がった。 「あ!光ってる!」 マンシュくんに近づきながらそう言うと、反射的にマンシュくんも立ち上がる。 子供っぽい行動をとっている自分に気づき、慌ててごめんなさいと頭を下げて自分が座るべき場所へといそいそと戻った。 そして大人しく椅子に座ると、マンシュくんはこちらに悔しそうな、そんな視線を送っていた。
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