本日、死にました。

8/28
前へ
/340ページ
次へ
この世界において神たる存在は超越した存在だ。 そんな人に馴れ馴れしくしてはいけないと、今更ながら理解し背筋を伸ばす。 「それで、えーっと……そなたは……」 「莉佳です。神崎 莉佳と言います」 「リカ、そなたは手違いでここに来てしまった事となる。これは私が償わなければならない案件なんだ」 償うと言われても私死んじゃっている訳だし、どうやって償うっていうんだろうか。 私の人生はどう足掻いても帰ってこない、それが事実なんだから。 「そなたの元の人生は戻ってこない。そこで、新しい人生を歩んでみるのはどうだ?」 「新しい人生ですか……?」 「そう。そなたの世界でいう“転生”というやつだ。もちろん、別世界でのな」 て、転生ってゲームやアニメでよく聞く、今流行りのあの転生? 勇者になったり、国王陛下のお妃様になったり……とにかく世界を救っては新しい人生を歩むとかいう、あの転生?? 中には全く違う種族に転生してしまったりとかするパターンもある、あの転生?? 言われた言葉が理解できずに困惑していると、神様は急に笑いだした。 「はっはっは、そんなに困らなくても良い。こちらの手違いのせいなんだ。ただお前が望む世界を伝えてくれればそれでいい」 どこか挑発するようなそんな目付きに、私は少しだけ眉間にしわを寄せる。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

265人が本棚に入れています
本棚に追加