私が隠す超能力

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私が隠す超能力

 私は超能力者だ。但し、物を動かしたり、透視したりということは出来ない。私の能力は物を溶かす能力。溶かすだけでくっ付けたり固めたりは出来ない。  2歳の時に父の人差し指を掴む感じで手を繋いでいたところ、父の人差し指が溶けてしまったことで自分の能力に気付いた。父は娘である私に指を溶かされたことを周りに訴えたが、そんな話は誰も信じなかった。私は自分の犯した罪をひたすら隠して、人前で能力を使わないようにした。私の異常性に気付いた父は私に近づかないし、私もそれを受け入れた。  物を溶かすと言えば熱で溶かすことをイメージするかもしれないが、私の溶かすはそれとは違う。熱くなったりはしないのである。熱で他の物に影響を与えたりしない。溶かしたいものが理屈抜きで溶けるのである。その為、溶かしたいものだけを溶かすことができる。また、私が溶かすことを止めた時点で瞬時に溶けるのも止まり本来の固さに戻る。     
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