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「悠斗、駅まで一緒に帰らない?」 ホームルームの後、大輝が声をかけてくる。 「いいけど…お前はいいのかよ」 「ん?バスケ部、今日は休みだよ。てゆうか、今日明日はどの部活も休みじゃん」 なぜなら、明日は入学式。 体育館は飾り付けられ、グラウンドは駐車場になるためラインが引かれている。なので、全ての部活が休み。 今日、高校2年生の俺らは、午前中授業を受け、午後は掃除や体育館の飾りつけなどの作業をしていた。 「いや、そうじゃなくて…」 彼女…一ノ瀬…と帰らなくていいのかよ、と言おうとしたが、よく考えてみれば、委員長である一ノ瀬は、今から入学式実行委員会とやらがあるのだ。 なら、大輝と一緒に帰っても、ばちは当たるまい。 「いいよ、一緒に帰ろう。大輝」 こんなふうに一緒に帰れることが、ただそれだけのことが、なんだかすごく嬉しい。
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