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いつもの帰り道、いつもの電車なのに、なんだかいつもと違う…のは、やっぱり隣に大輝がいるからだろう。
大輝と俺は、いつもは乗る電車が違う。家が反対方向だからだ。だから、大輝と一緒に家まで帰るってのは、なんだか新鮮だ。
「入学式、懐かしかったなー。俺らも、1年前はあんな感じだったんだよな」
俺が言うと、大輝がふわりと笑う。
「ほんと、懐かしいね。そういや、何人か背が高いのいたな。バスケ部に入ってくれないかな」
「いやいや、勧誘ならサッカー部だって負けてない…って…」
ん、んん?
ふと視線の先に捉えた、電車の長い座席のはしっこに座ってる、うちの制服を着てる女の子。
髪は三つ編み、メガネをかけてる、いかにも大人しそうな子。
その子の隣に、妙に近い距離で座ってるおっさんがいる。くたびれたスーツを着て、仕事用のかばんを膝に立てて置いている。
ただそれだけの光景、と言えなくはないが…
女の子の顔が、妙に強張ってる。
あーあー、なるほどね。
そういうことね。
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